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あれから5年。

今日はニュース、ラジオ、SNS、

いろんな所で震災のことが流れていました。

 

東日本大震災により犠牲になられた方々に

謹んで哀悼の意を表しますと共に、

被災された方々へ深くお見舞い申し上げます。

 

 

5年前の震災の年、

12月にBotanicaはオープンしました。

 

独立すると動き始めたのはその年の4月ぐらいからでした。

当時は計画停電があったり、

建築資材が足りないなどの情報があったりと

今後の先行きが見えない、不確かな情報があふれている時でした。

 

前オーナーからは、『こんな時だから今じゃなくても…』とも

(アドバイスとして)言っていただきましたが

僕は逆に今だからこそ、

と考えていました。

 

なぜそう考えていたか、

というのも、(ちょっと長くなります)

震災から約3週間後の4月1日と4月12日に

気仙沼と南三陸にボランティアとして瓦礫除去などをしに行っていました。

そしてもしその町に美容室が機能していないようだったらヘアカットをして

少しでも元気になってもらえればとハサミを持って行きました。

 

着いて、瓦礫除去を手伝って、炊き出しをして、

聞いてみると美容室は機能していなかったので

カットをさせてもらいました。

 

行く前は元気になってもらおうと思っていましたが

カット中、被災された方々を目の前にしたら何て声を掛けたらいいか

言葉が出てきませんでした。

 

震災当時の話をされる方々に対して

うんうん、大変だったね。と、聞くことしかできませんでした。

シャンプーなんてできないので霧吹きで濡らしてカットして、

ドライヤーも使えないから自然乾燥で。

 

それでもカットし終わって鏡を見せると表情が明るくなって笑顔になってくれたり

『あら〜わたし美人になっちゃったよ〜』なんて80歳ぐらいのおばあちゃんが

喜んでくれたりして。

 

当事者でない僕らはどこか自粛モードでしたが

『あなた達は元気でいてください。私たちもやり直してまた元気になるので

その時は笑って酒を飲みましょう』

なんて言ってくれたりして。

 

帰る時間も迫っていた頃、

最初、頑なに『俺はいい。』と拒んでた男性が

周りからあんたも切ってもらいなよと言われて渋々(?)カットされたのですが

切り始めたら意外と注文が多いw

で、切り終わって鏡を見せたら『ここをもうちょっと』と。

切り直しw

これを繰り返し3回ww

最終的には喜んでくれたと思うけど

帰る予定時刻30分ぐらい伸びちゃったりして。

 

 

と、そんなこんなで戻ってきて思ったのは、

利益とか考えずにただ単純に、

カットして喜んでもらって、

という、僕の中の美容の原点と純粋な気持ちを思い出させてくれたこと。

カットはこんなにも人を笑顔にできるんだということを

再確認させてもらったこと。

 

行く前は元気を出してもらえればと考えていたけど

逆にたくさんのパワーをいただきました。

 

 

 

ちょっと長くなっちゃったけど。

 

震災があった年に今だからこそ、と考えたのは

人生いつ何が起こるかわからない。

震災に見舞われるかもしれないし、病気になるかもしれない。

もしかしたらトラックにはねられて死ぬかもしれない。

誰にだってその可能性はある。

そう考えたら

やりたいこと今やらずにいつやるんだと。

 

今でしょ。(古い)

と。

 

 

 

あれから5年。

安倍さんは福島の原発はアンダーコントロールにあるなど

訳のわからないことを言っておりますが、

一刻も早く、被災された方々の平穏な暮らしが戻ることを心より願います。

 

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